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町でうわさの本読みブログ

誰にも気づかれないうちにタイトル変更。現在は読書感想と、日常の面白いことについてつづります。

「おにいさまへ…」 池田理代子

さて、今回の作品、知ってる人は知ってるけれど、

知らない人は全然知らないかもしれない。

 

あの池田理代子先生が「ベルサイユのばら」終了後、

その興奮も冷めぬうちに描かれた(多分ね)めい作です。

「めい作」のめいにはどんな字をあてればよいのやら。

 

歴史ものではなく現代の(といっても70年代だけど)

名門女子高のどろどろとした人間関係を描いています。

 

まずキャラがすごい。

ヒロインの奈々子はふつうの子だが、

男装の麗人とかいるんだ。しかも2人。

 

一人は、薫の君こと折原薫さま。

 

もう一人はサン・ジュストさまこと朝霞れいさま。

この人の見た目はなんというか、生気のないオスカルさま。

 

で、なんで男装なのか、理由は特にないらしい。

薫の君はボーイッシュということで説明がつくが(服装もふつう)、

サン・ジュストさまはもともとそういう人なのだろう、としか言えない。

 

そしてサン・ジュストさまが恋い慕う人は

学園の女王、一の宮蕗子(ふきこ)さま。通称宮さま。

外見は貫禄のあるマリー・アントワネット。高校生だけど。

 

宮さまはサン・ジュストさまに対し、愛とも憎しみともいえない

複雑な感情を抱いていて、偶然を装い、サン・ジュストさまの手に

剣山を落としたりするのです。

 

ええ、まだまだありますよ。

奈々子(忘れそうになるけど、主人公です)のクラスメートのマリ子は

奈々子に対し、異常なほどの執着をみせます。

 

家に遊びにきた奈々子を「絶対に帰さないんだから」と

監禁しようとします。

 

ああ~。自分で書いててもうおなかいっぱいだあ。

 

しかし、こんなにすごすぎるお話でも、

下品とか下世話といった感じは全くない。

 

それは主要キャラたちがみな高潔というか、

それぞれぶっとんだ悩みを抱えつつ、

人生とは何か、愛するとはどういうことかを真摯に考えています。

 

そういう普遍性があるからこそ、今でも読み継がれているのでしょう。

 

あっ、肝心のおにいさまその人のことを説明するのを忘れてた!

女ばかりの話ではなく、おにいさまもきちんと登場するのですよ、そういえば。

そういえばってのもナンですが。

 

おにいさまへ… 1 (中公文庫 コミック版 い 1-43)

おにいさまへ… 1 (中公文庫 コミック版 い 1-43)