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町でうわさの本読みブログ

誰にも気づかれないうちにタイトル変更。現在は読書感想と、日常の面白いことについてつづります。

「オイディプス王・アンティゴネ」 ソポクレス

今回はあの有名な「オイディプス王」です。

自分の父を殺し、母と結婚するという…。

あ、もうオチまで言っちゃった。オチとは言わないか。

 

2500年ほど前の戯曲なのですが、

元々はギリシャ神話で、当時の観客も、あらすじを知っている状態から

舞台を観たらしいです。

 

つまり、みんなオチを知っていた、と。

それでも面白いと思うのはなぜなのか、

これはかなりめんどくさい問いかけだ。

この難題はとりあえずパスして話を続けます。

 

オイディプスはアポロン神託により、

将来父を殺すことなどを告げられたのですが、

その呪いのきっかけがすごい。

 

新潮文庫版には「劇の始まる前に」として、

おそらく日本人向けの予備知識コーナーがありました。

 

それによると、若き日のライオス(オイディプスの父)はある美少年に恋をするが、

受け入れられず結局彼を殺してしまう。

これだけでもおいおいって感じですが。

その美少年が死に際にライオスを呪い、

将来我が子に殺されるように、と祈ったのです。

それがアポロンによって受け入れられた、ということでした。

 

って、オイディプスの悲劇はとーちゃんのせい!?

 

まあ、本編ではこのあたりのことは一切触れないのですけどね。

 

そんなことより大事なのは、オイディプスをはじめとする登場人物たちが

よかれと思ってしたことが、結局すべての悲劇につながっていく、

それをあらかじめ知っているのは、

この本を読んでいる自分だけ…。ということ。

 

でもこれは優越感とは全く違い、

本気で心配している状態。

 

「オイディプス、うしろー、うしろー!」みたいな?

いや、そんなのん気な話じゃないんですけど、全然。

 

もう一つの作品「アンティゴネ」は

オイディプスが去った後に残された娘の物語。

これも悲劇で、とにかくオイディプス一家は大変なことになっている。

いや、ほんと、茶化しちゃいけないんですけど。

 

それにしても、2500年以上も前に作られた、

現代ではありえない物語、しかもオチを知っている。

 

なのになぜ本気で「オイディプス、うしろー」と思ってしまうのか。

う~ん、難しい問題だ。

 

オイディプス王・アンティゴネ (新潮文庫)

オイディプス王・アンティゴネ (新潮文庫)