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町でうわさの本読みブログ

誰にも気づかれないうちにタイトル変更。現在は読書感想と、日常の面白いことについてつづります。

地味すぎる悪意の恐ろしさ  「誘拐」 本田靖春

 この本は、1963年に東京の下町で起きた

男児誘拐殺人事件について書かれたノンフィクションです。

 

犯人は身代金奪取に成功し、男児は戻らぬまま  

2年経過し、未解決になるかと思われたが…。

 

「戦後最大の誘拐事件」とまで言われたそうです。

 

犯人の暗い生い立ち、警察の失態、被害者家族の絶望、と

印象に残る場面は多々ありましたが、

私が一番恐ろしいと思ったのは、被害者家族に対する嫌がらせの数々でした。

 

いたずら電話は日に2,3本。

子供の行方を知っていると書いてくる手紙など…。

 

もちろん、すべて匿名か偽名です。

こういうことをしている人たちはふだんはどう過ごしているのでしょう。

いつもいかにも暗い顔をして、不平不満たらたらなのでしょうか。

それとも、表面上は明るくていい人を装っているのでしょうか。

 

もし、卑怯な嫌がらせをしていることを周りの人たちが知ったら、

どうなるのでしょう。

「ああ、やっぱりね」なのか、

「あんないい人が信じられない」なのか。

 

周りに知られなければ、犯人のように社会的に罰を受けることなく

ふつうに生きていくのでしょうか。

 

なんというか、我ながらこの本の内容全体には触れず、

こんな細かいことを気にするってどうなんだ、と思わないでもないのですけれど。

 

しかし、そういう嫌がらせをする人たちも、

この空の下で人生を送っている、というのは確かなことです。

ああ、なんだかとりとめがない文章になってしまいました。

 

誘拐 (ちくま文庫)

誘拐 (ちくま文庫)